興奮の余韻が残っていて、何をやっても楽しく感じる。
楽しみにしているイベント当日や、心の底から嬉しいことがあった次の日は、そんなことがありますよね。
ネガティブな感情は、ポジティブな感情より強い
しかし、そんな日は月に一度くらいで、あったとしても幸福感が持続するのは1~2日です。
いや、もしかするともう何年もそんな日がないような気がする…という人もいるかもしれません。
気づくとこのようになっているのではないでしょうか?
「今日あった嫌なことを思い出して、つい考え込んでしまっている。」
「何年も前に過ぎ去った出来事を思い出して、感情が乱れている。」
こうなる理由は、人間はポジティブなことよりも、ネガティブなことに注目してしまう傾向があるからです。古代の人類はネガティブな感情と向き合うことで危険を察知し、生き残ってきたという進化の過程が影響しているといわれています。
しかし、ストレスの多い現代社会では、ネガティブ感情への過剰な注目は、有害です。
『サクセス・モニタリング』
プログラム
ネガティブな感情から自分を守るためにはどうすればいいでしょうか。プライベートな時間をネガティブな感情に支配されず、健やかに過ごすためにはどうすればよいでしょうか。
セルフ・モニタリング機能を活用したとても簡単な方法があります。ルールは2つだけ。
- 一日の終わりに、今日あった「成功したこと」を3つ思い出そう。
- どうして成功したのか、「理由」を考えてみよう。
あなたは今日一日で大変な働きをしました。苦労して培ってきた経験を、惜しげもなく誰かのために差し出して役に立とうとしたはずです。たくさんの人に会い、気を配り、時には自分の気持ちを押し殺したはずです。
大変な一日でしたが、あなたも周囲もそれをごく普通のことだと考えていて、評価していません。成功を見落としてしまっています。
これからは、「成功したこと」を静かにセルフ・モニタリングしましょう。
期待できる効果
とても簡単ですが、実践することでどのような効果が期待できるでしょうか?
感情面では、ポジティブな感情が持続するようになり、ネガティブな感情が自然と気にならなくなります。
- 悲しみや落ち込むことが少なくなる
傷ついた気持ちから早く回復できるようになります。 - 不安感が減る
初めてのことへチャレンジする勇気が湧きやすくなります。 - 逆境に強くなる
諦めず、最後まで集中力を発揮できるようになります。 - 今の生活への不満が減る
すでに手に入れた幸福に感謝し、より大切にできるようになります。
ポジティブな感情で対処することは、現実の問題解決にも有利に作用します。全般的な効果が期待できるので、進歩を望む全ての人に取り組んでほしいプログラムです。
効果が期待できる根拠
本当に効果があるのだろうか?と思ったかもしれません。
この『サクセス・モニタリング』プログラムは、「ポジティブ心理学」の創設者であるマーティン・セリグマンの提唱する「うまくいったことエクセサイズ」をもとに考案しています。
セリグマンは、心理学の分野の世界的名門校であるペンシルベニア大学で教授で、ポジティブ心理学センターのセンター長、アメリカ心理学会(APA)の元会長でもあります。
そのセリグマンが自分自身でトレーニングの効果を実証し、学生にも実践してもらいながら磨き上げられた方法の一つです。また、臨床に取り入れた精神科医やカウンセラーからも、ポジティブ感情の持続、抑うつの軽減に効果があったという報告を多数受けているそうです。
「学生たちがこれほどまで見事にポジティブな生活の変容を遂げたことを見たことがなかった」「(抑うつ患者への効果に関して)30年間のセラピスト・・の経験から言っても、今までこれほどに大量のポジティブな報告書を目にしたことがない」とその著書の中で興奮気味に語っています。
(マーティン・セリグマン『ポジティブ心理学の挑戦 “幸福”から“持続可能な幸福”へ』)
トレーナーの実例
開始して1週間程度で目が覚めたとき「今日もがんばろう」という感覚が増えたと感じました。前日のサクセス・モニタリングで感じたポジティブな感情が続いており、「今日もやれる」という気分になっているように思います。
2週間くらいで習慣化され、就寝前の小さな楽しみになりました。3週間くらいで少し中だるみもあるのですが、小さな変化を持たせることでより楽しく続けることができました。
1ヵ月経過して振り返ると、「自己統制感」が強まったと感じます。「自分の努力で結果をコントロールできる」という感覚です。「自分で結果をコントロールできるんだ、今日も成功させるぞ」という前向きな気分が強くなっていると感じます。
私が実際に行ったモニタリング内容をご紹介します。「成功」と「理由」を簡潔に書いています。
- 成功:いつもの仕事に新しい視点を取り入れ、良いものにできた
- 理由:自分と考えが異なるアドバイスも素直に聞いたから
- 成功:父の愚痴を聞いてあげることができた
- 理由:あらかじめ聞くつもりで辛抱する心の準備をしていたから
- 成功:人間関係のトラブルが起きたが間に入り平穏を取り戻せた
- 理由:中立的にふるまうことが出来たから
- 成功:連休明けの仕事初日をトラブルなくやり過ごせた
- 理由:無理はしないでおこうと思っていたから
重要な成功でなくても構いません。むしろ、日常生活の中の成功を見つけることが大切です。
得られる感覚は、私は「自己統制感」でしたが、もともとの性格や個性によって異なると思います。きっとあなたが得られる感覚は、あなたらしいものになると思います。
自分の成功に気づけるようになる『サクセス・モニタリング』で、
自分だけのポジティブなスタイルを手に入れましょう!