あなたの自己愛の強さは適正でしょうか。
自分が好きな人は「ナルシスト」とやゆされますが、実は精神的に健康な傾向があり、基本的にはよいことです。
しかし、それが行き過ぎた場合に問題になってしまいます。
ナルシストの語源となったナルキッソスは、湖面に映る自分の顔に恋をして、キスをしようとして溺れ死んでしまいます。
そうならないために、自分をモニタリングしましょう。
自己愛性パーソナリティ障害
自己愛性パーソナリティ障害の特徴は「誇大性」と「脆弱性」です。
最大の特徴は、「誇大性」です。実際の自分以上に誇大な自己イメージを持っていることです。誇大な自信は虚構であるため、非常に脆く、壊れやすいものです。これが「脆弱性」です。誇大な自己イメージが脅かされたとき、過剰防衛します。自分を守るために必死になり、他者を攻撃します。
そのため、周囲との衝突も多く、トラブルを起こします。ただし、本人は自信満々ですので自分に原因があるとか生きづらいとかは感じないことが多いようです。
周囲が問題を感じていても、本人が気付かないので改善につながりにくいというのが、自己愛から来る問題の難しさでもあります。
自分自身で気づくことができるように、テストを受けてみて下さい!
心理テスト
あなたのナルシスト度は、どれくらいでしょうか?
0~3点:低い
自信が不足している可能性もあるので、成功体験や達成経験を増やし自信を増すトレーニングをお勧めします。
4~7点:やや低め
謙虚な思考を持っていると思います。
8~10点:やや高め
自信家の部類です。人が興味のない自慢話をしたり、自分の意見を押し付けたりしないように注意しましょう。
11~13点:高い
危険水準です。周囲の人たちへ言語的な攻撃をしている可能性が高いです。特にストレスやプレッシャーを感じた時、攻撃傾向が強まります。自分の行動を監視してください。
13~15点:かなり高い
周囲の人は、あなたの振る舞いに非常に困っている可能性があります。専門家による支援や具体的な対策が必要な可能性があります。
自己愛が強い人の問題
自己愛が高い人は、このような行動に思い当たりがありませんか?
●自分の話を正当化するために、相手を貶める
●反論されたとき、過剰な仕返し(報復)をする
●その場を盛り上げるために、他者を貶める(いじる)
●自分の要望が認められなかったときに、激しく怒る
●いい意味で人から注目されていないと、不機嫌になる
●期待に応えてくれない相手を、手のひらを返したように攻める、無関心になる
●失敗を知られたくないために、隠したりうそをつく
自己愛的な性格を変えることは難しいといわれています。
しかし、行動だけを変えることはできます。上記のような行動を慎むことで周囲の人のストレスが大幅に軽減するはずです。
具体的な行動としては、「黙る」だけです。
優しくする必要も、取り繕う必要もありません。説明する必要もありません。
ただ、黙っているだけで人との関係は良好になります。
ぜひがんばって黙ってみてください。
【参考】川崎直樹、小塩真司『病理的自己愛目録日本語版(PNI-J)の作成』心理学研究 2021年