ひきこもりとの親和性をチェックする質問が開発されています。自分の特性を早めに把握しましょう。
また、ひきこもる人によく見られる特徴もご紹介しますので、予防に役立ててください。
(1)ひきこもり親和性チェック
まずはひきこもり親和性をチェックしてみましょう。
さてあなたは何点だったでしょうか?
(採点結果の分母は無視してください)
15点以上:引きこもり親和群
「ひきこもり親和群」は、かなりひきこもりのリスクが高いといえます。もしかするとすでに、ひきこもっているかもしれません。
12点以上:ひきこもり予備軍
「ひきこもり予備軍」は、何かのきっかけでひきこもってしまうリスクが高いです。十分注意してください。
10点以下: 平均的
平均の範囲ですので今すぐの心配はなさそうです。
なお、上記の心理テストはひきこもることへの「願望」と「共感」を中心に確認しています。どちらかというと「願望」がひきこもりへの影響が強いと考えられるようです。質問でいうとbとcですので、この傾向が強い人は要注意です。
(2)2つの特徴
ひきこもり親和性が高い人たちには、2つの特徴があります。
一つ目の特徴は、「積極的関与の回避」です。
友人との内面的な関係構築を避け、表面的に円滑な関係を保とうとする傾向が強いことが示されました。
友人への配慮が強く、内面に土足で踏み込まないようにしていたり、傷つけないようにしたり、気を使う傾向があります。繊細で優しい性格で、とても良いことのように思いますが、表面的な関係しか築けないとすると問題があるのかもしれません。
内面的な友人関係を築いている、または気の置けない友人が存在する場合はひきこもり親和性が低い傾向があります。
二つ目の特徴は「自己閉鎖」です。
自分の意見や考えや悩みごとなどを友人に話さない傾向が強い傾向も示されました。自己の内面をさらけ出すことの難しさを抱えている可能性があります。女性より、特に男性にこの傾向が強いようです。
自己開示の経験を持つことで変わっていくことができるかもしれません。例えば、自分だけが知っている秘密を信頼できる人に伝え、受け入れてもらったというような経験です。
開示する秘密は「事実」である必要はありません。出来事に対してどのように感じたかという「感情」を開示するのでも十分です。
(3)ひきこもらない人の特徴
趣味を持っていることは、ひきこもり親和性と負の相関があったそうです。つまり、趣味がある人はひきこもりリスクが低いということです。
(4)対策
参考にしてみてください。
ひきこもりの予防
・友人に興味を持って、質問して話に耳を傾ける
・自己開示、特に感情表現を心がける
・趣味を持つ
ぜひ心がけてみてください。
【参考】
米田 政葉,志渡 晃一『ひきこもり親和性に関する検討』北海道医療大学大学院看護福祉学部学会誌
Ⅱ ひきこもり群・ひきこもり親和群の定義
下野 有紀、長谷川 晃、土原 浩平、国里 愛彦『大学生用ひきこもり親和性尺度の作成』感情心理学研究 2020年 第27巻 第 2 号 51─60
牧亮太、海田梨香子、湯澤正通『ひきこもり親和性の高い大学生における心理的特徴の検討』広島大学心理学研究 第10号 2010